三浦しをんさんの作品では、『舟を編む』が好きです。それは確か入院中に読んだような。私が入院したのは出産の時と流産の時で。。。それは1回目の流産の時に読んだんだのでした。2回目は宮部みゆきさんの『模倣犯』でした。出産の時は何だっただろう。陣痛に耐えられる間は読んでいたのを覚えているけど、生まれてから全部読めたんだっけ。母子同室だったからなぁ。
と、いろいろ思い出しながら。
この作品は、生とか死とか愛とか親子とか、そういうわりと重めな人間のコアなところが、これでもかというほど繰り出されるのに、登場人物のやりとりがライトで、とても読みやすかったです。だからこそ一日ブランクの筋肉痛のような、「あれ、なんでここ痛いんだろう?」っていう、一体どこがこんなに心に堪えたんだろう、というふとした戸惑いもあったりして。思い返して、また考える。
反芻。
「…愛情というのは与えるものではなく、愛したいと感じる気持ちを、相手からもらうこと…」か。
作家さんはすごいです。通り抜けていきそうな気持ちを、言葉にできる。読んだ人は、それを感じる。
感情・言葉・感情。感情を書いているんだと。