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井戸川 射子さんの『この世の喜びよ』を読みました

第168回芥川龍之介賞受賞作品です。

以前『ここはとても速い川』を読みましたが、思考を文字表現するってこんな感じなんだと、文体に驚きました。ダイレクトに気持ちが伝わってきます。テーマ的にも登場人物それぞれの心の燻りみたいなものが主人公の語りから染みてくる話だった。今作の表題作は、私には少し感情移入が難しかったです。主人公が「あなた」として語らてれいて、安っぽく言うとRPGの説明書のさわりっぽい。斬新。私としては表題作よりも、『マイホーム』がちょっとした話なのになんか面白かった。「その一生のっていうのやめてください、」っていうセリフが好き。心の中のモヤモヤが溢れて出てきたのがこのセリフ、っていうのがよかった。

ちょっとした日常の話だと思うのですが、書き方でこんなに雰囲気出るもんなんだなぁ。やっぱりすごいです。

 

 

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フクミ
本の感想と、日常で感じたことを書いています。 私は今の自分や生活を気に入っています。 文章化することで、幸せがもっと明確になるような気がします。