乗代 雄介さんの『それは誠』を読みました。(第169回芥川賞候補作)

私は乗代雄介さんの作品が大好きで、新作をたのしみにしてるのですが、なかなか芥川賞とれませんね苦笑。相手が悪いのかな。。。

とりあえずいつも最初が読みにくい。文章がとっつきにくい。そこを乗り越えたら超面白いのに笑。そこがいいところなのかな。好きです。

主人公はちょっとこじらせ系だけど、それは家庭環境に因るものが大きくて、心根のやさしい男子高校生です。修学旅行同じ班の子達もみんなとてもいいやつで、乗代さんの緻密さで生き生き描かれています。修学旅行中に、先生にバレないように主人公のおじさんに会いに行く、ちょっとした冒険だけど、絶対にバレてはいけない緊張感のあるお話しでした。

吃音がテーマの一つですが、最後そこをポイントにストーリーがまとめ上げられていく様が感動的。少し予想外な部分もあるため余計引き込まれる。こんな文学的な文章だし、言えばこじんまりした世界観の話なのに、なんか感じさせられるものがダイナミックなんだよなぁ。あとちょっとしたラブもよい。

好き。

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フクミ
本の感想と、日常で感じたことを書いています。 私は今の自分や生活を気に入っています。 文章化することで、幸せがもっと明確になるような気がします。