シヴォーン・ダウドさんは、前作『ロンドン・アイの謎』刊行後すぐに、The Guggenheim Mysteryというタイトルを遺してお亡くなりになったそうです。その後を継いで、ロビン・スティーヴンスさんが今作を書かれたとのことですが、実は私、その辺の事情を知らぬまま、「あ、続きやん
」と思って読んだ後に後書きでそのことに気づいた。。。翻訳ものだから翻訳者さんが素晴らしいのかもしれませんが、全く違和感なく楽しませていただきました。主人公のテッドは純粋に出来事を分析して不可能性を消していって真実にたどり着く。人の気持ちや常識などという曖昧なものを理解するのは苦手だけれど、分かろうと努力しています。私は彼の思考経過を文章で読むことが出来て、彼の努力を知ることが出来るところも、この小説の素晴らしいところだと思います。彼自身の大変さと、その家族の大変さも知ることが出来ました。この小説はミステリーを楽しめるだけでなく、多様性を考えられる作品で、児童の皆さんにもおすすめしたいと思っています。
先ず、前作を手に取った理由は、「新婚旅行先で乗った”ロンドンアイ”やん!それにミステリーやん!」という感じでした。読んでみるとまぁ素晴らしい。誰も死なないし、探偵は少年少女なのになかなかスリリングだし、あっという間に読めました。
今作は舞台がニューヨークだったけど、テッドもカットも相変わらず。でも少し成長していて姉弟の関係に葛藤したり、でもやっぱり大事に思っていたり、ミステリーなのに心温まる。。。
ミステリー目線では。。。やっぱり前作の方がよかったかなぁ。でもいいんだ。それでも素晴らしかったです!