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德田 秋聲の『あらくれ』を読みました

主人公お島、育った環境は恵まれたものではなかったけれど、いやなものはいや、自分の思い通りにならなくっちゃぁ、いや!という生き方が、あらくれてはいるけれど可愛らしくも思える。とっても自分勝手で我儘で、男とも取っ組み合って喧嘩する様子が笑えます。でも、騙されて作と結婚させられてしまった場面は本当に辛かった。この時代、女子にはこういう事態はどうしても起こってくる。よく諦めずに生きているよと、なかなか感動しました。

登場人物たちの様子や心情が丁寧に描写されていて、展開はあらくれているけれどちゃんと生活感があり、生々しいのが清々しいというか。

どの登場人物の気持ちも分かりやすくて読みやすい作品でした。

お島みたいに生きるのは大変そうだけど、私ももうちょっとだけ我儘に生きてもいいかなと思える作品でした。

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フクミ
本の感想と、日常で感じたことを書いています。 私は今の自分や生活を気に入っています。 文章化することで、幸せがもっと明確になるような気がします。